「同人原稿が進まない」を解消する!1日2~3枚だけ作業するという選択

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同人誌原稿作業が進まない
同人誌の制作には「原稿が進まない!」という問題がつきもの。 いつもギリギリになってしまう、どうも集中できないなんてことは、本当によくありますよね。 私もいち同人漫画描きとして、この問題に悩まされてきましたが、 先日ある方法を試してみたところ、意外とスムーズに作業が進むようになりましたので、その方法を紹介します。

同人誌の原稿が進まないという問題

同人誌の原稿作業をしている時、集中力がなかなか持たないということは本当によく起こりますよね? 長いこと同人活動をしている方であれば、おそらく体験したことがないという人はいないぐらい、一般的な悩みだと思います。 とりわけ、学業や仕事をしながらだと作業時間が確保しづらいという問題ともセットになり、 結果的に「いつも原稿の締め切りギリギリに徹夜で作業してなんとか間に合わせる」状態を繰り返している方も少なくないかと思います。 (Twitterなどでも、レッドブルや栄養ドリンクを片手に必死に原稿している同人作家さんをよく見かけます) [adrotate banner=”6″]   で、この「同人誌の原稿作業が進まない!」という問題。 どうやって解決したらいいのか、私もかなり頭を悩ませてきました。 私の場合、締め切りにわりと神経質な性質なので幸い極道入稿を経験したことはありませんが、 「よーし今日はここまで作業するぞ―!」と決めてもついつい作業が面倒くさくなって「今日はいいや…」と先延ばし、 余裕を持って作業を始めたはずなのに結局締め切りギリギリに完成する…ということが非常によく起きていました。 同人活動=趣味=好きでやってるのに、面倒くさくなる時って、どうしてもあるんですよね。 今画面の向こうで「あーあるわーあるある」と頷かれている方もいらっしゃるでしょう。 今回作業している原稿では、もうこんなことは避けたい!と思い、私はある方法を取ってみました。 そうしたら、「その日のやる気にかかわらず」比較的スムーズに原稿が進むようになりました。 それが、以下でご紹介する「ページ数制限法」です。

同人誌の原稿作業を効率よく進めるには「ページ数制限戦法」が効く!

「ページ数制限戦法」は、 その名の通り一日の作業量を決めて、それ以上はやらないと決める方法です。 ポイントは「作業量」。 漫画の作業は「プロット・ネーム・下書き・ペン入れ・仕上げ」などいくつかの工程に分かれますし、 一話の漫画の中には各シーンがあります。 大抵、「今日はどこまで作業しよう?」とスケジュールを立てるとき、 多くの場合「ページ数」ではなくシーンや作業工程ごとに区切りを付けます。 「ページ数制限戦法」では、この作業量を「ページ数」で規定します。 一日の作業量を、工程やシーンで句切らずページ数で区切ることで、能率が上がるんです。 とりわけ、「ページ数制限戦法」は「ネーム・下書き・ペン入れ」の工程において非常に効果を発揮しました。 なぜなら、決めたページ数以上は「やらなくていい」作業になるので、無理をし過ぎなくなります。 また、あらかじめ作業するページ数を決めておくと、「一日これだけやればかならず完成する」というペースメーカーにもなります。

「ページ数制限戦法」は一日2~3ページが目安

「ページ数制限戦法」が上手くいく秘訣は、 作業するページ数を「無理なくこなせるページ数」に設定しておくこと。 おすすめは、一日だいたい2~3ページくらい。 人によっては「2~3ページなんて少なくない?」と感じる人もいるかもしれません。 (遅筆な人だと「2~3ページなんて多すぎて無理!」という感じでしょうか) でも、無理なくこなせるページ数を設定してみてください。 ともすれば「こんなの余裕に終わるわー」くらいのページ数にしておいてみてください。 「無理すればこのくらいのページ数はできた」レベルにしてしまうと、不調な日と調子の良い日のムラが非常に出てきてしまいます。(実体験) なぜかというと、その「無理すれば作業できたページ数」というのは、「無理をしたから」できたのであって、あなたにとって「いつもいつもできるわけではない作業量」ということになります。 これを、調子の悪い時でもできるくらいのページ数にしておくと、「今日はやれそうにない日」が発生することを減らせます。 つまり、作業能率が上がります。 やる気がでない場合でも、人間の仕組みとしてやり始めるとやる気が出てくる「作業興奮」という仕組みがあります。 (詳しくは「作業興奮」でググってみてください) 同人はあくまで趣味の活動ですが、計画的に原稿を進めることが出来れば、早割などのフェアを使えるなど選択肢が広がりますよね。 「なかなか作業内容単位ではやる気が出ない!」という方は、この「ページ数制限戦法」を一種のリスクマネジメントとしてぜひ活用してみてください。

作業の「調整日」を設けることも大事

「ページ数制限戦法」をうまく活用する方法の一つとして、あらかじめ「調整日」をもうけておくことも大事です。 というのも、「体調不良、どうしてもやる気がでない、家庭事情、その他諸々、同人活動ができない日というのはどうしても生じてくるから、それをあらかじめスケジュールに織り込んだうえで作業するようにしている」と社会人の同人作家友達に教えてもらったんです。 それで今回の原稿で実践してみたところ、「毎日休まず作業しなくてはいけない!」という強迫観念(?)から解き放たれることができました。 おかげですごく気が楽になってより楽しく原稿をやれるようになったので、「ページ数制限戦法」を行っても行わなくても、調整日を入れてみるのはおすすめです。 この「調整日」の間隔ですが、だいたい一週間ごとに設けると効率的に一週間の作業調整が行えます。 「調整日」の発想は、サークル「とらふえ屋」発行の同人活動タスク評論本『同人屋さんのタスクとモチベの管理法』で言うところの「同人営業日」の発想にも通じるところがあると思います。 『同人屋さんのタスクとモチベの管理法』は本記事が気になった方には一読をおすすめしたい一冊です。 [blogcard url=”http://www.torafueya.net/%E5%90%8C%E4%BA%BA-%E3%83%8B%E3%82%B3%E5%8B%95/%E5%90%8C%E4%BA%BA%E5%B1%8B%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%81%A8%E3%83%A2%E3%83%81%E3%83%99%E3%81%AE%E7%AE%A1%E7%90%86%E6%B3%95/″]

「ページ数制限戦法」の合わせ技:「すぐにペン入れする」

最後に「ページ数制限戦法」と組み合わせて行うとより原稿が進みやすい合わせ技を紹介します。 それは、「下書きしたページをすぐペン入れする」こと。 「4P戦法」を見習って、自分が規定したページ数ずつ下書き→ペン入れ→下書き→ペン入れ方式を取るのも、完成形が見えて心理的にやる気が湧きやすいです。 「4P戦法」とは、同人原稿を進める際の作業スタイルの一種で、とあるスレで紹介されていたものです。
※4P戦法 作業ページを4ページ単位に分け、原稿を描く画期的方法。 その素晴らしき成果、報告も多数集まっている。 効果は自分の目で確かめるべし。 187 名前: 名無しさん@どーでもいいことだが。 投稿日: 02/07/23 03:31 ID:cqYUv8UQ 下書き→ペン入れと順序良くまとめて描いてるみんな!!聞いて!! 私も全部一気に各過程を終わらせる口だったのですが 友達から良い技を聞きました! 4枚づつ作業するのです!下書き4枚やったら、その4枚にペン入れする… この繰り返しで描いてみて下ちぃ… 飽きないし例えば20ページの漫画なら、その作業を たった5往復すれば終わりじゃん!と思うと楽な気分になれます。 思ったより効率が良いので騙されたと思って 試してみる価値有りです。最初は慣れないから 終わっていない分の白紙が気になりますが ダラダラ飽きながら描くより丁寧にできる上に早いよ!! (「余裕をもって入稿できる絵描きはここが違う!原稿を速く仕上げるコツと小技(お絵描き速報!萌え絵上達法)」より引用)
3ページ下書きしたら、翌日にその3ページをペン入れする。 この方法をとると、自分の下書きの意図を忘れないうちにペン入れができます。 ですので、「これどういう意味で引いた線だっけ?」「こんなんじゃなかった…」となりやすい人にもおすすめです。 「4P戦法」の詳細は以下のスレまとめが参考になります。 [blogcard url=”http://mazikanon.blog102.fc2.com/blog-entry-463.html″]

番外編:小説書きに「ページ数制限戦法」は使えないのか?

上記の方法は、小説書きの場合は「~行書く」「~ページ分書く」などで代用可能です。 ただし筆者の場合、小説はプロットの区切りごとに作業をわけたほうが効率よく作業出来たので、人によるかと… とはいえ、通常の自分のやり方では進まない、上手くいかないという同人作家さんは試してみる価値はあると思います。 (主に印刷所の)締め切り守って、よい同人ライフを! ◆こちらもあわせてどうぞ 少部数かつ安く同人誌を印刷したい場合のおすすめ印刷所まとめ 同人誌の自家通販おすすめ発送方法まとめ 枠線嫌いのためのCLIPSTUDIOPAINT「長方形コマ」「枠線分割」ツール紹介 小説同人誌を作るにあたって参考にした3つのデザイン関連書籍たち