自分の発行した同人誌を通販する際、どうやって送るのが一番安いのか。
買ってくれる人がいるのは嬉しいものの、早く&安く送りたいサークル主としてはどの方法を使えばいいのか悩ましいものです。
クロネコメール便が使えなくなった今、おすすめの発送方法を自分なりにまとめてみました。
※2019年:「あんしんBOOTHパック」について追記しました!
※2024年現在、自家通販の発送方法は「あんしんBOOTHパック」などの匿名配送が主流となっています。
クロネコメール便に変わる安い発送方法とは?
以前はクロネコヤマトがやっているクロネコメール便がとにかく安く、封筒さえあればOKだったうえ、コンビニからも送ることが出来て、同人誌の通販にもこれを使って発送しているサークルが多かったです。
ですがクロネコメール便の個人利用は2015年の4月に終了してしまいました。
その後は日本郵便(郵便局)の発送方法が用いられていましたが、
現在では、あんしんBOOTHパックなど、よりわかりやすく使いやすい匿名配送がすっかり主流となりました。
以下、おすすめの発送方法を名前とおおよその価格・メリット・デメリットを挙げてご紹介していきます。
なお、紹介している発送方法はすべてポスト投函OKのものです。(あんしんBOOTHパック除く)
【2019追記】匿名配送「あんしんBOOTHパック」(365円)が超便利
BOOTH(pixiv)の場合はあんしんBOOTHパックで匿名配送が可能。
郵便料金 | 365円 |
支払い方法 | 購入者が負担(サークル負担なし) |
厚さ・サイズ | 縦11.5cm×横23cm以上、A4サイズまで・2.5cmまで(ネコポス)/宅急便は大きくても可 |
重み | 1kgまで(ネコポス) |
信書(手紙) | 不可 |
保証・追跡 | 追跡番号あり 3000円まで保証(紛失・破損) |
匿名配送とは、送る側も送られる側も住所や氏名を明かさずに配送を行ってもらえるサービス。
個人情報のやり取りをせずバーコード管理だけで発送が行えるので、多少高くつくものの、宛名書きが面倒だったり、個人情報を不特定多数の購入者に晒したくないサークルにはおすすめの発送方法。
かつ、この方法の一番良いところは、購入者に直接送料を支払ってもらえるので、発送手続きの際にサークル側が送料を支払う必要がないこと。
(他の発送方法の場合は送料分はあとから売上の一部としてやって来るのでその面倒さがないのは魅力的)
このためサークル側では商品と封筒・梱包資材だけを用意し、あとは発送手続きをすればOK。
事前に封筒を購入する必要のあるレターパックやスマートレターよりサークル側の使い勝手は良いが、サイズの制限が厳し目なのとやや送料が高いのが難点。
また、近くにヤマトの営業所やファミリーマートが使えない場合は発送ができない。
扱いとしてはヤマト運輸の「ネコポス」「宅急便コンパクト」「宅急便」と同じサービス。
基本全国翌日配達(一部地域除く)と運送が早いのも魅力。
差額はBooth側が負担しているため個人利用よりも安く抑えられている。
※届く際には、運搬の管理の都合上なのか住所ラベルが貼られていることもあるが、発送元のサークルに住所の通知などは一切されない。
クリックポスト(185円)
郵便料金 | 185円 |
支払い方法 | Yahoo!ウォレット(クレジットカード払い) AmazonPay(クレジットカード払い) |
厚さ・サイズ | 長辺34cm以まで 短辺25cmまで 厚さ3cmまで |
重み | 1kgまで |
信書(手紙) | 不可 |
保証・追跡 | 追跡あり 日祝配達あり |
クリックポストの使い方は、以下のとおり。
2:支払い
3:発送品の詳細・発送先などを記入して自宅プリンタで宛名ラベルを印刷
4:ラベルを貼ってポストに投函
このため、クリックポストを使うのにはYahooIDまたはAmazonの会員登録、およびクレジットカードが必要になる。
(利用が可能なクレジットプリペイドカードやデビットカードでもOK)
VISA
MasterCard
JCB
ダイナース
American Express
VISA
MasterCard
JCB
ダイナース
American Express
および、プリペイド系クレジットカード(VプリカやKyash)、デビットカード(J-Debitを除く)
クリックポストのメリットはとにかく安いこと。
厚さは3cmまでOKなので、本ならかなりの冊数や厚みが可能で、中サイズのグッズも送れる。
追跡サービスや日祝の配達もあるため便利。
封筒やラベルは自分で用意する必要がある。
ただし、プリンタを持っていない人は使えないうえ、
一度に受け付ける数が少なかったり、たまにしか通販の申し込みが来ないサークルにはログインや入力作業が手書きより手間というデメリットはある。
手間を惜しまず、安くしたいという人向けの発送方法。
スマートレター(180円・A5サイズ)
郵便料金 | 180円 |
支払い方法 | 現金・切手 |
厚さ・サイズ | A5サイズ・2cmまで |
重み | 1kgまで |
信書(手紙) | 可 |
保証・追跡 | なし(普通郵便扱い) |
スマートレターは郵便局が発売している専用の封筒に内容物を入れて発送するタイプの仕組み。
封筒自体は180円で窓口で購入できる。
郵便局の切手通販サイト「切手SHOP」でも購入可。
コンビニでも、一部取扱い店舗では買える。
東京地域から販売がスタートし、全国各地に順次発売拡大ということだったが、2016年4月現在、札幌市では購入可能になっていた。
封筒サイズはA5サイズ本が入るくらいの大きさ。
このため、B5サイズが主流のジャンルでは使いにくい。
逆に言えば、A5サイズ本中心のサークルには、送料と使い勝手のバランスが取れていて最も適した発送方法。
ゆうメールと異なり、雑貨なども送ることができるのでグッズ通販にも適している。
レターパックのように内容物の種別を記載する欄はない。
ただし追跡番号などはないので郵便事故が起こった場合はやや面倒。
封筒代は現金払いができるので、送料をネットで決済することに不安がある人にも良い。
スマートレター用の封筒は以下のような感じ。ちょっとファンシー系?
ゆうメール(180円~・重量課金)
郵便料金 | 180円~ 重量に応じ加算 |
支払い方法 | 現金・切手 |
厚さ・サイズ | 縦横高さあわせて1.7mまで |
重み | 150g~3kgまで |
信書(手紙) | 不可 (無封の添え状は可) |
保証・追跡 | なし(普通郵便扱い) |
ゆうメールは重さに応じて値段が変わる発送方法。
内容物の種別に対する制限がある。
送ることができる物は主に「冊子(本)やCD・DVD」。
詳しくは郵便局のサイトで公開されている。
参考リンク:ゆうメールとして送付可能なお荷物
封筒は自分で用意する必要があり、「ゆうメール」と宛名横に書き、一箇所内容物が分かるように隙間を作っておかなければいけない。
(蓋をした角をハサミで一部切り取るのが一般的)
封筒だけでなく箱の形をしていても送ることはできるが、内容物がわかる隙間がないと突っ返される。
また、雑貨などを送ることはできないので、グッズ通販には使いづらい。
封筒を自前で用意する必要があるため、サークルオリジナル封筒などを使いたい場合は適している発送方法。
サイズ制限も一応あるが、B5・A5サイズの本が中心なら使いやすい。
レターパックライト(370円)
郵便料金 | 370円 |
支払い方法 | 現金・切手 |
厚さ・サイズ | A4サイズ・3cmまで |
重み | 4kgまで |
信書(手紙) | 可 |
保証・追跡 | 追跡番号あり (速達扱い) |
レターパックライトは、厚さ3cmまでの専用封筒に入るサイズのものを4kgまで送ることができる方法。
サイズ制限がA4サイズと同人用途としてはそこそこ大きく、内容物もゆうメールほど厳しく問われないため、
イラスト集やノベルティ付きアンソロジーなどの通販にも使える。
ただし、内容物の記載欄があり、書かずに送ると相当遅く着く(らしい)。
(記載がないと受け付けてもらえない場合もある)
窓口で出す場合は必ず書かされるので、同人誌の場合は「本」などと記載。
グッズ通販の場合「雑貨」は不可となることがあるので「アクリルキーホルダー」や「缶バッジ」など、品名をきっちり書いたほうが無難。
また、レターパックライトは速達扱いとなり、追跡番号もある。
万が一のことが心配なサークル主さんに適した発送方法。
一方で、受取はポスト投函なのでハンコを必要とせず、購入者にも便利。
デメリットは冊数が少ない場合、送料が高くつくこと。
レターパックライトの封筒は以下のような感じ。意外と大きい。
・余談
レターパックプラス(520円)というよりより厚めの荷物用のものもありますが、こちらは通常の薄手の同人誌通販ではほぼ使わないと思いますので、ここでは紹介しません。
(レターパックプラスはレターパックライトと違って受取にハンコが必要なので、受け取り手に敬遠されやすく、自家通販用に使うには使い勝手が微妙)
書店委託・倉庫サービス
最後は番外編、書店委託や倉庫サービスを活用する発送方法。
書店委託とは、とらのあな・メロンブックス(男性向け)・CQWEB(女性向け)などの大手同人誌取り扱い業者に本を委託すること。
倉庫サービスとは、BOOTH(pixiv)やアマゾンなどの倉庫に本の在庫を預け、発送を委託する方法。
正直な所、相当数の申し込みがあるサークルや、いちいち通販対応をするのが面倒だという場合はこれらの委託・倉庫を活用することをすすめます。
ただし、倉庫に預かってもらう関係上、管理料としてお金がかかる場合がほとんどです。
また、書店委託は数ヶ月すると委託期間が終わって返送されてくるときに返送料がかかるので、そこが気になる場合は自宅通販の方が良いことも。
書店委託は利用者(=購入者)が多いことから、ほかの人の同人誌と一緒に買ってもらいやすいというメリットがあります。
販売までに審査があることも関係しているのか、自家通販よりも売れることが多いです。
※アマゾンに委託できるのは、オリジナル(一次創作)の同人誌に限られます。
やり方など詳しくは、アマゾン委託請負サービス「密林社」のサイトなどをご参照ください。
まとめ:目的別発送方法のおすすめ
以下、最後のまとめとして目的別に発送方法のおすすめ例を書いておきます。
- 宛名書きが面倒/匿名で送りたい/送料の事前負担がきつい=あんしんBOOTHパック(ネコポス)
- とにかく安く送る=クリックポスト
- A5以下で冊数少なめ×頻度少なめ=スマートレター
- 厚い本が複数/早く届けたい=レターパック
- 切手や封筒が余っている=ゆうメール
- サークル独自の封筒で送りたい=ゆうメール・クリックポスト
以上、同人誌の自家通販を行う際のおすすめ発送方法まとめでした!
それでは、よい同人ライフを!
関連の参考資料
書店委託サービスの説明&各社を比較している記事。
アマゾン委託請負サービス「密林社」のサイト。
pixivが展開するショップ作成サービス「BOOTH」サイトにも、梱包・発送方法のレクチャーページがあります。
「BOOTH」の詳しい使い方は「BOOTHマニアックス!!」の記事が画像も多く参考になります。
「検索・公開に対してシビアなジャンルだけど、ショップページを作って対応を自動化したい」という場合は、
検索避け機能・パスワード制にできる「ピコ通販」というサイトも。
検索除けや匿名配送を扱っているBOOTH以外の自家通販サービスについてまとめた記事がありますので、こちらもご参考ください。
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