戦国大戦の尚円王のイラストとセリフの元ネタを調べてみた

戦国大戦の尚円王

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「戦国大戦1477-1615日ノ本一統への軍記」で追加になった新カード、他家西「尚円王」。

カード裏面テキストの通り、琉球王国(現在の沖縄県)の王様です。
生没年的に戦国時代なんだろうか…と初見思いましたが、調べてみるとなかなかおもしろい経歴の持ち主のようで、気になったのでカードイラストやセリフの元ネタを調べてみることにしました。

なお、調べた内容についてはあくまで「かもしれない」レベルのものです。
公式で発表されたり、絵師さんによる解説ではありませんので、「だったら面白いな~」程度にお考えください。

(2016/2/22:櫂について追加情報追記)

ポーズと手に持った櫂

カードイラストの印象的な指を差すポーズ。
これはおそらく、尚円王の生まれ故郷と言われている沖縄県・伊是名島にある尚円王の銅像のポーズを参考にしたものと思われます。

taisenshoen02

↑伊是名島にある、尚円王生誕580年記念「尚円王御庭公園」に立つ尚円王(金丸)の銅像。(写真素材「沖縄素材フォト」

また、手に持った櫂も同様にこの銅像からインスパイアされたものと推測できます。
銅像自体がなぜ櫂をもたせたデザインなのかは不明です。

→(2/22追記)
当記事を書く際に参考にさせていただいたブログ「がじゅまるの樹の下で。」さんで、尚円王の持っている櫂についての解説記事がアップされておりました。

以下引用させていただきます。

戦国大戦の尚円王のイラストとセリフの元ネタを調べてみた

>銅像自体がなぜ櫂をもたせたデザインなのかは不明です。

サイトの最初のほうに↑とありますが、
伊是名から脱出した時の、櫂ですね。
金丸が伊是名の若者たちに殺されそうになって脱出というのは
伊是名村に立てる銅像的にはヨロシクないので
「大海原にこぎだす」という意味にしてるようなので
その象徴でしょうね。

(関連過去記事→  

当記事もご紹介頂いたようで嬉しいです。ありがとうございました!

髪型

カードイラストの尚円王は長い髪を束ねて左側に流しているスタイル。

taisenshoen01

(戦国大戦 (c)SEGA illust:西野幸治)

琉球史研究者の上里隆史氏によると、17世紀ごろまで琉球王国の男性の髪型は「カタカシラ」と言う左側に髪の毛を束ねてマゲのようにするスタイルだったそうで、雪舟の描いた「国々人物図巻」にその姿が出ているとのこと。
尚円王の生きていた時期(15世紀)ごろもおそらくこの髪型だったろうと思われます。
よって、カードイラストが束ね髪を左側に流しているのはこの「カタカシラ」を意識したものなのではないでしょうか。


↑「カタカシラ」についての記事(参考イラストもあります)

背中にある太陽の形の装飾品

琉球王国では王様は太陽の化身あるいは太陽そのものであるとされていたそうなので、イラストにもそのモチーフが盛り込まれていると推測。

肩と太ももの鬼瓦(シーサー?)

鬼瓦のようにも、シーサーのようにも見える肩と太ももの鎧。
鬼瓦自体は厄除けの飾りとして日本全土で一般的。
シーサーも同じく厄除けの飾りとして家屋の屋根に設置されるもので、イラスト等でも「沖縄っぽさ」を出すのにしばしば用いられるので有名。
尚円王が王様をやっていた首里城の門にもいるらしい。

ちなみに「シーサー」というのは「獅子」を沖縄の言葉で呼んだものだそう。

頭のハイビスカス

尚円王の頭の左側には花の飾りが付いていて、ゲーム内の3Dポリゴンでも再現されていますが、これはおそらくハイビスカスの花ではないかと思われます。
で、このハイビスカスという花なんですが、単に沖縄のっぽさを出そうと上記のシーサーと同じく入れられたのかと思っていたのですが、どうもそれ以上の意味があるようです。

以下のサイトで非常に面白い解説が掲載されていたので引用します。

赤花の別名に「後生花(ぐそうばな)」という呼び方があります、
沖縄南部でよく使われるようですが、
死者の後生の幸福を願って
墓地に植栽するという習慣から来たものらしいです。
沖縄には生きている時間より
死んでからの時間の方が長いという考え方があるようです。

たゞ所変わればで、
他の地方に行くと本土の彼岸花と同様、
墓地に植えられている事と赤い色から忌み嫌う人もあるようです。

死人にささげる花、ということでもしかするとこれは故郷を追われて不遇の身にあった尚円王を取り立ててくれた尚泰久王への手向けの花という意味合いで描かれている可能性も否定出来ないのではないかと。

また、沖縄の文化かは定かではありませんが、ハイビスカスは頭の左右どちらに飾るかによって意味合いが異なると言われています。
右につけると未婚、左につけると既婚者という意味があるそうです。
尚円王の場合は、妻「宇喜也嘉」がカード化されているため左につけているのではないかと推測されます。

↓参考記事

カード裏セリフ

「いいね、いいね!悪いことが起こった後には……その2倍!いいことがあるもんだ!!」

尚円王は24歳のころ、生まれ故郷の伊是名島を追われています。
皆が干魃にあえぐなか、尚円王(金丸)の畑だけは水が枯れなかったことから水泥棒を疑われ、身の危険を感じて弟(当時5歳)や妻と沖縄本島に渡ることになり、その後、尚泰久王に見いだされるまでは不遇だったそう。
しかし、尚泰久王(当時は越来(ごえく)王子)に見出されるやいなや有能ぶりを発揮して出世街道を突き進み、とうとう55歳で国王に。

カード裏のセリフはおそらくこういった人生そのものを指したのだと思われます。
ちなみに、水泥棒の件は島の女子にモテ過ぎたせいで女性たちが他の田から水を盗んで尚円王の田に流していたという話もあるらしく、なんとも言えない顔になりますね…モテ王…

開幕セリフ・新星レベルアップセリフ

「俺は金丸。ちょっくらかわいこちゃんを探しに、ね?」(開幕)

「こんな美男子ほっとけないよなぁ?」(新星)

故郷の伊是名島を追い出された理由が「島の女子にモテモテすぎて島の青年たちに恨まれたから」というのがあり、それを逆手に取ったキャラクター付けと推測。

突撃セリフ

「クヌヒャー !」

耳慣れないワードで初見なんと言っているか不明でしたが、これはどうやら沖縄の言葉で「こいつ」とか「この野郎」という意味だそう。
比較的くだけた関係で使う言葉ということです。

↓参考記事



※聞き取りが間違っていたらすみません。正確にはなんと言っているか分かる方がいたら教えて頂けると助かります。

虎口攻めセリフ

「あんたが戦っちゃダメだ。俺がやるよ」

完全に推測ですが、尚円王(金丸)が絶大な信頼を寄せられていたという主君・尚泰久王に向けたセリフではないでしょうか。
金丸は最終的に貿易・外交の長官である「御物城御鎖之側(おものぐすくおさすのそば)」という要職に就いており、この職は王への取次を担当する役職でもあったということです。
つまり、尚泰久王に話を取り次いでもらうには金丸を通さなければいけなかったということらしい。
また、尚泰久王は「護佐丸・阿麻和利の乱」によって有力な配下を失ったり身内と争ったことで心身共に疲弊しただろうと考えられ、それも背景にあるのではないでしょうか。

虎口攻め成功セリフ

「その傍若無人な振る舞い…やめてくれないか」

尚泰久王の跡を継いだ子の尚徳王は尚円王(金丸)ら重臣の諫言を聞き入れない強権的な王様だったようで、非道な政治であったために尚円王が王となるよう担ぎだされた経緯があるそうで、おそらくこのセリフはそのことをふまえたものかと思われます。
尚円王がみずからクーデターに関わり、王位を取ったという説もあるらしく、そのあたりも意識されているのではと推測されます。

落城セリフ

「俺が築いたものは、何より長持ちするからな!」

実は琉球王国は徳川幕府十五代よりも長く続いていて、おそらくそのことを指したものと思われます。
その長さ、実に450年というから驚き。

史実の尚円王についてもっと知るには

尚円王の史実での経歴や活躍などをもっと知りたい場合は、『尚氏と首里城』という本がコンパクトにまとまっていてわかりやすいです。
出版は2016年の1月。まるで尚円王の登場バージョンの稼働時期を見計らったかのような発売ですね…(笑)

「尚氏」とタイトルにあるため尚円王だけに特化した内容ではなく、琉球王国と尚氏全般についての本です。
とはいえ、第二尚氏の祖ということで、表紙の写真に起用されたり帯に名前が上がるなど、尚円王に関する記述は多め。

本文はカラーページが豊富で、城(グスク)や関連の史跡などについてもかなりページが割かれているので、聖地めぐりをしてみたい人にもピッタリ。

この記事の参考文献・サイト

記事を作るにあたって調べるのに使用したサイトを以下にリンクしておきます。

上記ブログでは同じくカード化された尚円王の妻「宇喜也嘉」についても詳しく解説されています。

王様らしく、隠し子伝説とかもあるらしいです。

◆戦国大戦の公式サイトはこちら

同バージョン追加の「シャクシャイン」についても調べたら記事にまとめようと思います。


↑書きました。(2/22追記)

◆こちらもあわせてどうぞ
特集「戦国大戦のカード元ネタ調べてみた」

 

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