フルカラーが格安でカバーも無料なONEBOOKSで同人誌を印刷してみたまとめ

同人誌を作る/4
onebooksで同人誌印刷
フルカラーでカバー付きの旅行記漫画の同人誌を、ONEBOOKSさん(http://www.red-train.co.jp/onebooks/)に印刷していただきました。 なんとこちらの印刷所、モノクロでもカラーでも一冊料金が変わらないというから驚き。 こちらで刷った本の詳細などがネットにあまり出ていなかったので、以下まとめてみることにします。 今回レビューに使用するONEBOOKSさんで刷ってもらった本は、以下のものです。 [blogcard url=”https://cornix.booth.pm/items/107416″] 上杉謙信の城・春日山城に行った時の旅行記漫画本です。ジャンルは創作戦国。 ネーム当初から写真の分量が多かったので、できればフルカラーがよかったのです。 が、大抵の印刷所は本文フルカラーは最低部数が50~100だったり、お値段が張ったりで、イベントに出る予定すらない、ましてや出ても10部も捌けないだろうドピコサークル的には手が出しにくい… そこでカラーでもモノクロでも値段が変わらないことを売りにしてらっしゃった、ONEBOOKSさんを使ってみよう!と相成ったわけであります。 ではまずサービスの特徴から。

ONEBOOKSの特徴

カラーでもモノクロでも、印刷料金が変わらない

これは画期的です。先程も言ったとおり、今のところカラー本文はまだよそではかなりお高いものなので… ただしその分モノクロは割高めな感じがします。(それでも極小部数なら普通の印刷所さんより確実に安い) 無理してでもカラー本文作りたくなります…夢のある話ですよね。

料金は一冊の値段×冊数+送料の明朗会計

全国どこでも送料が変わらないのは、印刷所によっては相当な送料になってしまう北海道民としてはありがたい限り。 他の印刷所さんと違うのは、たくさん刷っても一冊あたりの単価が安くはならないところ。 うちは極小部数しか刷らないので助かりますが、部数の多いサークルさんだとまた状況は変わるかもしれない。

クリアPPのみならず、マットPPも追加料金なしで可能

他の印刷所さんを見ていると、マットPPは追加有料オプション扱いのところが多い気がします。 少部数×多ページに強い「ポプルス」でも、マットPPはセット内に含まれています。 ポプルスさんはリンク会員割引やストレート割引などが充実しているので、こちらもオススメの印刷所です。 [blogcard url=”http://www.inv.co.jp/~popls/″]

A5サイズはカバーをつけるのに追加料金がいらない

さらにA6サイズになると帯も基本料金に含まれています。 (もちろんつけないことも可能だそうです) ただしB5サイズ以上はカバーや帯はつけることができない模様。 カバー付きも大抵の印刷所さんだと高いパックでしか見かけないので、お得感があります。

入稿には予約が必要

希望日が埋まっていることもあります。 イベント合わせの時は注意が必要。

納期は最長6日、予約は30日前から可能

早めに完成した場合は6日を待たず発送してくれるとのこと。

予定日より前に入稿してもよい

予定に空きがあれば、前倒しで作業してくださることもあるようです。 ただし仕様変更は入稿前までです。

文字がはみ出るなどのチェックは基本なし

以前ポプルスさんで印刷した時は、うっかりしていてサイズ間違えていたのを指摘してもらえて事なきを得ましたが、ONEBOOKSさんはそういったチェックは基本ないと思ってください、とのことでした。 トンボもあるなしは自由だそうです。(トンボ無しは中央に合わせるとのこと)

入稿受付可能データはPSDかPDF

他の形式は問い合わせが必要なようです。

入稿はデータ転送サービスやオンラインストレージを使う方式

自サーバにアップとかでも大丈夫だそうです。 アップしたURLをメールして入稿完了。 サイズが大きく、firestrageで送れなかったのでGigafile(会員登録なし5GBまでOK)で送りました。 [blogcard url=”http://gigafile.nu/″]

ちょっと不便なところ

原稿テンプレートは用意されていない

現段階ではテンプレートデータの配布はされていないので、サイト内にある寸法を自分で見てデータを作る必要があります。 表紙やカバーの背幅計算は、問い合わせたところある程度アバウトでも作業していただけるようです。 (中央に合わせて作業するのであまり端にデザインがあると切れてしまうかも、とのこと)

デフォルトが存在しないので紙に詳しくないと質問しまくることになる

一冊から自由に、を売りにしていて紙の選択肢も豊富なのですが、紙の種類については自分で情報を集める必要があります。 不安な場合は直接問い合わせるか、資料請求をしたほうがいいかもしれません。 全く初めて本を作るけどここ使いたい、という場合は他の印刷所さんのパックで使っている用紙の名前などを参考にすると大失敗は避けられるんじゃないかな…(たぶん) 初めてではないにしろまだ本を作った経験が浅いため、不明点も多かったので何回かお問い合わせメールにはお世話になりました。 お返事は比較的早かったです。

イベント合わせ割引、フェアの類はやっていない

プレオーダー期間だからかもしれませんが、イベント合わせや早割などは今のところやっていないようです。 それを差し引いても冊数の少ないサークルにはかなり良心的価格だと思います。

成人向けは基本NG

詳しくはONEBOOKSの公式サイト内にある「表現に関するご案内」に記載がありますが、 ONEBOOKでは基本的に成人向け同人誌の印刷はできません。 修正などが必要ない小説であれば可能?とも読めなく無いですが、できないと思っていたひうが良いかと思います。 理由については、
弊社社内で製造を完結する品であっても設備上の問題から協力する関係各社へ製造を委託する状況が発生する場合があるため、お断りをさせていただく場合があります。
とありますので、成人向けの同人誌を刷りたい方は対応可能な別の印刷所を検討するのが良いでしょう。

作成した時の仕様

サイズ

A5

・ページ数

本文28P(表紙込み32P)

・カバー用紙

コート(オーロラ) 110kg クリアPP加工

・表紙

アートポスト 180kg

・本文用紙

コート(オーロラ)110kg

・支払い方法

代引き(手数料8%税込324円) こちらの印刷所では、「PP加工は反ります」との説明でしたが、カバーをつければこれはある程度回避可能かと思い、実験的な意味で今回はカバー有りに。 ただしこの方法、前述の通りカバーがつけられないB5サイズ以上には使えないです… 紙のチョイスはググったり手元にある別の印刷所さんの紙を参考にしたりはしましたが、頼んだ当初ONEBOOKSさんの資料請求がストップ中だったので、ある種賭けの部分がありました。

実際に刷り上がってみて

onebooks01 ぱっと見はこんな感じです。

・PPはどれだけ反るのか?

onebooks02 ためしにカバーのみにしてみたところ、このぐらい反りました。 90kgでは薄すぎてぐるんぐるんしてしまったので、110kgをおすすめします。 (90kg+クリアPPは薄くて折り傷がつきやすい) onebooks03 あとページ数があまり多くないからか、カバーが余ったような感じでちょっとモタモタしてます…

・用紙について

onebooks04 カバー用紙、本文用紙に選択した「コート(オーロラ)」紙ですが、PP加工をかけると紙自体のざらつきがかなり見られるような気がします。 グラデーションを多用したデザインだと比較的気になりにくいかもしれません。 onebooks05 こちらは本文のほう。 とりわけ、ベタ塗り単色で面積が広いと悪目立ちしているような…… onebooks06 上記は「RTホワイトラフ 68kg」で刷った本のもの。 こちらはテカリは売りにしているだけあって、抑え目な感じです。 onebooks07 単色のみページのサンプルです。 カバー下の表紙のみ単色にして、商業漫画のようにカバー下漫画をつけて遊ぶこともできます。 モノクロ印刷の参考にどうぞ。

総評

全体的に画面で見るよりも、若干色が濃くなっているように感じます。 (くすみはそれほど気にならないが黒っぽい箇所は潰れやすい様子) 紙が原因なのか、オンデマンドの特性なのかはちょっとわかりませんが、グラデーションの再現率はあまりよろしくなさそうです。 (段が見えちゃってたり) とはいえ8割がた満足です。 カラーとモノクロが同じ料金でOKというのが非常にありがたく、今回のような旅行記本や、ポートフォリオ的なイラスト集などを作るにはかなり適していると言えるのではないでしょうか? (色彩の再現率などを重視する、立派なイラスト集に向くかと言われるとちょっと微妙ではありますが) 使ってみようか悩んでいる方の参考になれば幸いです。 ※仕様等変更になる可能性がありますので正式な情報等は印刷所さんのサイトで直接ご確認ください。 ONEBOOKS公式サイト。 [blogcard url=”http://www.red-train.co.jp/onebooks″] 気さくなツイートが楽しい、ONEBOOKS(REDTRAIN)のTwitterアカウント。 [blogcard url=”https://twitter.com/redtrain_info″] ◆こちらもあわせてどうぞ ラベルはがしを使って委託用見本誌を再利用可能にできるか実験してみた 電子書籍販売サイト「パブー」に創作同人誌を登録するときのやり方(PDF) 小説同人誌を作るにあたって参考にした3つのデザイン関連書籍たち