オタクが知的財産管理技能検定3級受けてみた。合格までの勉強法と試験当日の流れ

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知的財産管理技能検定3級の勉強法

同人活動など、創作系の趣味をやっていると「著作権についてしっかり知っておきたい」という人もいるんじゃないでしょうか。

無断転載などの予防・対策はもちろん、自分が加害者側にならないための知識も必要です。

ただ、法律の専門家でもない我々一般のオタクが一から勉強するとなると、どこから手を付けていいか迷いませんか?(私もそうでした)

そんな中、togetterのまとめ「オタクなら国家資格の『知的財産管理技能士3級』を取っておいて損はない」で紹介されていた資格がまさに創作オタクにピッタリの内容をカバーしていました。

こりゃいいじゃん!ということで実際に勉強&受験。
仕事の合間に1日2~3時間で2週間ほどの勉強で合格できました。

やってみたことで必要な勉強方法や当日の流れなどもわかりましたので、「これから受験してみたい!」という人に向けて記録を残しておきます。

この記事はこんな人にオススメ

  • 知的財産管理技能検定3級を受験しようと思っている人
  • 知的財産管理技能検定3級の勉強方法を探している人
  • 知的財産管理技能検定3級の試験当日の流れを知りたい人
  • 創作系オタクが持っておいた方がいい資格と聞いたけど、何に役立つのか知りたい人

執筆者はこんな感じの人です

  • ウェブ系の職場で勤務
  • オタク歴は10代から、20年以上
  • 本を出す同人活動、ウェブでの活動経験あり
  • 最低限の著作権についてはかじったことがあった
  • 知的財産権というワードは聞いたことあるけど細かい法律についてはよく知らなかった

試験問題の内容

  • 学科試験 45分
  • 実技試験 45分

学科試験:マークシート式

実技試験:実技といいつつ、マークシートではないペーパーテスト。自由記述があるわけでもないので本当にただのペーパーテストです。

出題内容は以下の内容です。

  • 特許
  • 実用新案
  • 意匠権
  • 著作権、著作隣接権
  • 特許の国際法関連
  • 独占禁止法、不正競争防止法、種苗法などの関連法案
  • 国家の経済安全保障との関連(2022/11の試験から)
  • 会社の取締役会における知的財産の管理(2022/11の試験から)

著作権だけ比重が重いわけではなく、各分野からまんべんなく出題されます。

勉強方法

  1. 過去問をノー知識で解く
  2. 間違えた問題のわからない箇所の正解を調べる(公式テキストで)
  3. 別の回の過去問を解く
  4. 間違えた箇所を再度調べる

基本、この繰り返しを行いました。

注意点

  • 問題の問い方が「いかにも日本の試験問題的」
  • 過去問と回答を照らし合わせて問題文の解釈方法を理解する」のがかなり大事

学習内容の難易度よりもそちらのほうがよほど難しかったです。

例:「最も不適切なものを選べ」→不適切なものが選択肢に1つではなく複数あり、そのうち不適切度合いが一番高いだろう物を選ぶのが正解、など

法律の内容を理解できていれば、実技試験のほうが得点は取りやすいと思います。

勉強期間は、もともと著作権関係をある程度知っている状態から始めて、仕事の合間に1日2~3時間で2週間ほど。

ただ、2週間ではさすがにかなりぎりぎりだったので、覚えきれていないところもありました。
(持病の調子があんまりよくなかったのもある)

時間を取れるなら3週間~1か月くらいは勉強したほうが確実です。

改正された箇所以外の法律の根幹は変更がないので、参考にする過去問が多ければ多いほど学習は捗ります。

2022 年 11 月の試験から国家の経済安全保障との関連および会社の取締役会における知的財産の管理に対応した試験範囲に拡大されると告知されているので今から受験を検討している人は注意。

無料公開分の過去問は1年分しかないので、受けると決めた段階で公式サイトから過去問をダウンロードしておくのをおすすめします。

試験当日の流れ

学科・実技とも筆記試験。学科のみマークシート。

試験時間はどちらも45分。

試験当日は学科・実技試験の間にほぼ休憩時間がなく、食事を取るのはまず無理で、混んでたり会場の部屋から遠い場合トイレにも行けないと思っていい。

早く解き終わっても途中退室は不可。

受験後

合格証書は速達ではなく普通郵便で送られてくるため、合格発表後に土日祝日をはさむ場合は到着までけっこうかかります。

何に役立つ?

知的財産管理技能検定3級は、直接就職で活用するというよりも、取得のための学習それ自体が役に立つタイプの試験です。

今回受験のために勉強していて意外だったのが、著作権は一言で語れるほど白黒はっきりしていないゾーンがわりと存在しているということ。

たとえば、法律の上ではアイデアは著作物に該当しないので保護されません。
しかし、実際には相手に許可を取るほうがトラブルにはなりにくいでしょう。

また、著作権の上では問題のない行為でも、商標・特許が絡むとNGのケースもあります。

作品を発表するなどの活動を行うなら知識として知っておいて絶対に損はないので、個人的には受験しなかったとしても一通りは学んでおいたほうがいい分野だと感じました。

togetterで紹介してくれた人マジでありがとう。
あのTweetを見なければきっと一生知らないままの資格でした…

知的財産管理技能検定 公式サイト

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