そこそこ気力のあるニート・引きこもりの人は家事を覚えるといいよという話

メンタル・働き方

この記事の最終更新日は【2018年6月28日】です。

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家事
いま自分は、実家で引きこもっている。あるいはニート状態だ。 それに加えて、学生時代は勉強ばかりしていて、家事はすべて親に任せきりだった。 だから、大人になった今でも掃除・洗濯・料理などの家事が全くできない… こういう人、意外といませんか? 実は私も、少し前までそういうクチでした。 この記事では、 「少し元気な引きこもり・ニートが家事を覚えると家族からありがたがられるので出来ればやってみるといいよ」というすすめと、 家事を覚えられなかった「子供の仕事は勉強と言われて育つと家事を覚えにくいという問題」について触れていきます。 なお、本記事で言う子供とは、だいたい小学校高学年くらいからの、自分の身の回りのことがなんとなくできるようになってきたころを指して書いています。 乳幼児・幼稚園児くらいのイメージで読まれるとわけわからんことになると思いますので、その辺りはご了承ください。

ニート・引きこもりの体力づくりに家事は最適

今でこそ記事を書いたりしていくばくかのお金を得られるようになりましたが、 私はここ2年ちかく、いわゆるニート生活を送っていました。 人によると思いますが、働かず、学生でもなく家に引きこもりのように住んでいるとなると、非常に居心地が悪く、 置いてくれている両親に対して申し訳ないという気持ちで、楽しいことがあってもなかなか楽しめませんでした。 自堕落のように遊びを楽しむこともできず、唯置いてもらうのも申し訳ないと思った結果、 家事を手伝っていれば、「能なしの穀潰しを家に飼っている」という思いを持たれずに済むのでは?と考え、 まずは掃除から…と家事を手伝うことにしました。

なぜ家事を覚えられなかったのか?

そもそも、なぜ私はこの歳になるまで家事を覚えられなかったのでしょうか? 理由は簡単です。 「家事をやって来なかったから」。 そらそうだけどwwwwと突っ込みたいですよね、すいません。 でも結局のところ、家事が覚えられなかった理由は「やったことがなかったから」に尽きるんです。 現に、洗濯を覚えようかなーと思ってやり始めて、1ヶ月もやらないうちにだいたいの流れは覚えました。 思っていたより、日常の家事というのは大変ではないのです。 私は昔母親が専業主婦をしているころ、 「家事は大変なのよ。なのにやっても誰も感謝してくれない。でもやらなきゃいけないの」と愚痴っているのを耳にタコができるほど聞かされていましたが、 ぶっちゃけ一日やってみるくらいならそんな大変なシロモノではありません。 なにせこれが洗濯機のない江戸時代ならともかく、家電に頼れる21世紀なんですから。 母の愚痴を聞かされていた私は「家事ってそんな大変なものなんだ…じゃあどんくさい私には難しいわ…」とずっと思っていましたが、毎日やらなければいけないから大変だったのであって、家事そのものは完璧にやろうとしなければどんな人でも覚えられます。 むしろ、外に出てバリバリやるぜ!!!みたいなのが向かない人は、かえって家事のほうが向いているくらいかもしれません。 実際私もやってみて「あれ?なんか意外と気分転換になるぞこれ」と思った覚えがあります。 ただまあ、カテゴリーによっては向き不向きがあるようなので、掃除が得意な人は掃除をやればいいですし、料理のほうが向いてるという人は料理を覚えるのでもいいでしょう。 とにかく、「家事はやれば覚えられるスキル」なんです。 そして、自分に自信のない人が手っ取り早く自信をつけるのに、超向いてます。 結果が出るのが早いですし、終りが見えてますからね。

子供の仕事は勉強と言われて育つと家事を覚えにくいという問題

さらにそもそも論について書いていこうと思います。 そもそもなんで、この歳になるまで家事をやろう、手伝おうと思えなかったのか? それは、子供の仕事は勉強と言われて育ったことがかなり大きな要因ではないかと私は推測しています。 「子供は余計なことを考えず勉強だけしてればいいんだ!」という叱り文句がありますが、 これこそが、家事を覚えられなかった原因ではないでしょうか。 というのも、「勉強だけしていればいい」というメッセージは、 「それさえしていればほかのことは何も考えなくていい」という思考停止状態を作り出します。 結果、子供は「勉強」を免罪符に、自分のできること(家事スキルやコミュニケーション力など勉強以外の生きるためのスキル)を育てることを放棄します。 だって、何かあったら「親が勉強さえしていればいいって言ったのが悪い」って開き直れますからね。 「悪いのは私じゃない」って。 ただ、そういう風に育ってしまっても、困るのは親ではありません。 身体的・年齢的に大人になるまでに生きるためのスキルを身につけられなかった本人です。 今回話題にしている家事くらいなら、いずれ一人暮らしをしなくてはいけなくなった時になんとかなってしまうかもしれませんが、 コミュニケーション力などはこの子供の時期に身につけられないと悲惨です。 だって、大人になってからでは誰も指摘してくれませんからね。 「あいつはやばい」で避けられて終わりです。 かくいう私も身につけられなくて悲惨なことになっている実例です… つまり、「子供は勉強だけしてればいいんだ」というメッセージを鵜呑みにすると、 ひどい目にあうということなのです。 現在学生をやっていて、親がそういうことを言ってくるという人は、ちょっと胸に手を当ててよく考えてみたほうがいいと思います。 「私は私の人生を歩んでいくために、必要なスキルを準備出来ているだろうか?」って。 残念ながら今の日本の学校(とくに高校まで)では、こうったスキルは教えてはくれません。 ただ幸い、ネットや書籍にはヒントがたくさん転がっています。 自分の親がうまく導いてくれる能力がなさそうだな~と思ったら、自力で学んでいきましょう。 親も人間ですから、必ずしも親業に向いているとは限りません。 こういった割り切り方はできれば就職を考え始める高校・大学くらいまでには身につけたいですが、いくつになっても遅いということはありません。 現在結構な年齢で引きこもりあるいはニートだという人でも、 「自分の人生は自分で舵取りをする、そのために必要なスキルを身に付ける」のは大変重要な事です。 某進撃の巨人じゃないですが、「この世界は残酷」なのです。 特に、自分の意思を持たずに生きている人には。 常に誰かの指示に従って生きているというのは、意思決定を他人に委ねているということなので、常に不満を抱えることになってしまいがち。 見方を変えれば「働く=会社につとめること」としか発想ができないのも、実は思考停止の一種といえるんです。 なお、「家事を覚えにくい問題」は母親が専業主婦だったりするとさらに拍車をかけるでしょう。 なぜなら、専業主婦にとって家事というのは自分の庭です。 家事が仕事の彼女たちは、いわば家事のプロなわけです。 そこへ家事のできない子供がやってきて、未熟な手伝いをしようとします。 で、段取り通りうまくいかない。自分のようにはうまくやれない。 ここで上手く見守ってくれる母親ならいいですが、 「へたくそね!」「こうやんのよ!」とか言って子供が家事をうまくやれないことを見守れずに手を出してしまうタイプだと、 子供は「家事を手伝うと怒られて怖い」「あれは母の仕事だから任せておいたほうがいいや」と家事を覚えることを放棄します。 結果、大きくなっても家事を覚えられないまま育つ…ということが起きるんです。 そういう母親に限って、子供が大きくなると「あんたは〇〇歳にもなって家事の一つも手伝えないのか」とか言い出すんですけどね… そのチャンスを捻り潰した張本人がよく言うぜってなもんです。

現在お子さんがいる方へ

どうか「子供(学生)の仕事は勉強だから」と、家事をやりたがった子供を退けないでください。 そして、自分(親)がやるよりもはるかに効率の悪い家事をしても、あまり上から高圧的に指導したりしないであげてください。 性格にもよるとは思いますが、 子供とはいえ、「親がやったほうが早いだろうけど…」ということは百も承知で「やってみたい」と言ったのです。 どうか、時間の許す限り待ったり、付き合ってあげてください。 そして、本当に危なかったり、どうしてもこれだけは、と言う部分だけ、なるべく感情的にならずにコツを教えてあげてください。 そうすれば、「家事=怒られるからやりたくない」「勉強だけしていれば、家事なんて覚えなくても勝手にやってくれるものだ」という思い込みを抱えたまま育ちにくくなります。 これらの思い込みを抱えたまま育つと、大人になってからかなり恥ずかしい思い(こっぴどい失敗など)をして家事を覚えないといけなくなります。 子供のうちであれば、失敗したとしても、笑い話で済みます。 上でも述べた通り、家事は生きて行く上で、どんな人でもできたほうが良いスキルです。 そして、よほどのお金持ちにでもならないかぎり、どこへいってもついてまわるものでもあります。 どうか、生きるための力である家事を学ぼうとする芽を、摘まないであげてください。

当事者へ:家事のススメ

現在、引きこもっていたり、ニートだけど、ちょっと起き上がって活動するくらいならできる、という人。 洗濯物を畳むとか、食べた食器を洗うとか、簡単なものからでいいので、ぜひ家事を覚えてみてください。 家事は基本的な生きる上でのスキルですし、なにより自分の自信になります。 「ああ俺今日は洗濯物畳んだわ、何もせずに自堕落してたわけじゃないんだわ」っていう、 ささやかですが満足感がえられます。 家にいる時間が長く、仕事もしていないという負い目のある人間には、このちっぽけな満足感すら、かなり効きます。 さらに、家庭環境がいい場合であれば、家族から「ありがとう」と言ってもらえることもあります。 厄介者扱いが緩和されるだけでなく、感謝される。これほどありがたいことはないでしょう。 このように家事を覚えることはメリットだらけです。 今日はちょっと調子がいいかな?と思った時にはぜひ、挑戦してみてください。 ◆こちらもあわせてどうぞ 効率の良い食器洗いの手順とコツ。ズボラな家事初心者が注意すべき点は? 察してちゃんになってない?「言いたいことが言えない」という時 就活が合わない人は新卒就職という市場と合致していないだけなのでは? 「人間」という動物システムからは誰も逃れられないのかもしれない