性別違和感があると究極の選択を迫られやすいという話

メンタル・働き方/同性パートナー・ジェンダー//
性別違和

自分の性別が「男女」どちらの枠にもないと感じる、「性別違和感」を持っている人(FtX、MtXなどのXジェンダー)にとって、
性別を問われることや人間関係はしばしば、意図しない形で精神的に脅威となる。
極端な表現であるが、自分に嘘をつくか、機会を手放すかの二択を迫られやすいのである。
今回はそれついての考察をしてみたので、同様のことで悩んでいる方の参考や慰みになれば幸いだ。

※解決策は思いつかないので書いてないです。あるなら教えて欲しい!

たとえば、性別記入欄の問題

各種サービスの登録画面にいくと、性別を問われて困った当事者も多いことだろう。
多くの場合において選択肢は男女しかない。しかも、記入必須の場合が多すぎる。

単なる男女比のアンケート以上の意味がないのなら、「その他」を追加するかいっそ廃止してほしい。
※医療など、身体的性別がわからないと困る場合は除く

「サービス利用における男女比が統計やマーケティング上必要」とかのたまわれそうな気もするが、
そういうことならなおさらそれ以外の選択肢を付けないのはなぜなのか。

男女以外に当てはまる人口が一定数利用者に存在する(=お客にいる)という事実は、マーケティングのデータとしても使えると思うのだが。
他に変わりがないから使っているとは言え、存在を黙殺されるようなサービスには好印象を抱きにくい。

サービスを利用したければ自分のことについて嘘をつくしかないし、自分に嘘をつかないでいたいとなればサービスを利用できないということになる。
そんなわけで、筆者は登録時に性別記入を要求してこない、あるいは男女以外の選択肢があるサービスが大好きである。

ぱっとすぐ思い出せるサービスの例としては、
・小説家になろう(その他がある)
・英語版Facebook(日本語版と違い、性別欄にいろいろ種類がある)
・Deviantart(英語版ピクシブのようなサイト)
・Discord(ゲーマー向けのSkype的通話&チャットツール/そもそも性別を問われない)
・Steam(PCゲーム配信プラットフォーム最大手/同じく性別欄がない)
などがある。他にも増えているかもしれない。

→国内大手のピクシブもついに対応した模様。(2018/10確認)

性別欄に関する記事は以前にも書いたので、興味のある方はこちらもどうぞ。

交友関係にも、壁はある

究極の選択を迫られやすいと言えば、交友関係もその一つだ。
真の意味で仲良くなりたかったら性別違和のことをカミングアウトしないと話せないことが多いし、
カミングアウトしなければ本当のことを黙ったままそれなりの距離でしか付き合えない。

若い人を中心に「男だから~」とか「女だから~」という考え方を押し付けてくる人は少なくなったものの、
それでもやはり性別違和のことを告げていない場合、
相手はぱっと見でわかる性別でこちらを扱ってくるし(それは仕方がない)、
「私達、同性(異性)だよね」という視点に立った共感や共有には「違うんだけどなぁ…」という申し訳無さを覚えながらお付き合いすることになる。
(こちらだけが)非常に気まずいのである。

嘘を付くのに抵抗がないタイプの人ならいいだろうが、
バカ正直な筆者は「嘘を付いたまま人付き合いをする」のが胃をかきむしられるほど苦痛を感じるので、
結果的に性別違和を告げられないような交友関係は作るまいと、どんどん内向きになっていってしまうのだ。

「理解が得られないと生きづらい」というのは種類を問わずマイノリティを抱えた人ならなんとなく理解してもらえるのではないかと思う。
障害や病気に限らず、性別違和を抱えている人間もそういう思いを持っているということは伝わって欲しい。

発達障害を持っている人の中には性別違和持ちが多いという話もあるので、
そういう場合は「顔見知りだけど事情を話してない人」との関係が二重にしんどい。
筆者もそうである。

著:LabelX, 編集:LabelX
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