同人誌の自家通販を行えるサービスはpixivが運営しているBOOTHが有名ですが、pixivのトラブル等で別のサービスを探す、あるいは複数のショップを開設しておきたいという場合もあるかと思います。
2022年11月にはpixivの規約改定に伴って「よもや表現規制か?」と危ぶまれた事案もありました。
そんなわけで、リスク分散の観点からBOOTH(pixiv)以外の自家通販ができる代替サイトについて調べて特徴を比較しましたので、参考にしていただければ幸いです。
この記事はこんな人にオススメ
- BOOTH(pixiv系)以外の自家通販ができるサービスを探している
- 自分に合った自家通販サイトに切り替えたい
- できれば匿名配送ができるサイトがいい
- BOOTH以外の自家通販サイトの違いがよくわからない
BOOTH以外で同人誌の自家通販ができる代替サイトの例
- おうち通販FOLIO(赤ブーブー通信社)
- pictSPACE(ピクスク/pictBLand系)
- Fantia(とらのあな)
- アズカリ(アプリ主体)
- ピコ通販
- BASE
- STORES
- カラーミーショップ
なお、今回は「自家通販ショップを作れるサービス」のサイトを紹介する記事のため、以下のような代替方法との比較は記載していません。
- WordPress上でWooCommerceというプラグインを使ってショップ機能を付ける
- サイト上でメールフォームから直接自家通販を受け付ける
BOOTHとの手数料比較
サービス名 | 手数料 | 匿名配送 |
---|---|---|
BOOTH | 5.6%+22円 | 可 |
おうち通販FOLIO | 0円 | 可 |
pictSPACE | 頒布代金の10% | 可 |
Fantia | 10.0% | 可 |
アズカリ | 550円 (キャンペーン中、3000円未満は無料) (1万5千円以上は3.3%) | 可(特化) |
ピコ通販 | 0円 | 可 |
BASE | 3.6 % + 40 円 | 可(有料機能) |
STORES | 5% | 不可 |
カラーミーショップ | 4.0%~(決済方法により変動) | 不可 |
※すべて無料プランでの手数料との比較です
おうち通販FOLIO(赤ブーブー通信社)
メリット・特徴
- 委託手数料・決済手数料・月額利用料・システム利用料はすべて無料
- とらのあな・フロマージュで併売扱いにならない
- 送料は購入者負担方式、ネコポス送料+匿名手数料110円がかかる(2023時点)
- b2-ONLINEカードで購入すると匿名手数料110円が無料になる。読者に都市部ユーザーが多いサークル向け?
- 「電子書籍をアップする」機能により、物理書籍版購入者に限り電子書籍で先に読んでもらうことができる(サークル側はCLIP STUDIO SHAREへの登録が必要)
- 売上をポイントに変換しておうち通販FOLIOやb2関連サービスの決済に利用できる
- 受け攻めキャラでの検索機能がある(大手ジャンル向き?)
デメリット
- b2アカウント登録者になり、通販機能の申請をする必要がある
- リアル同人イベントの主催会社提供のサービスのため、基本は赤ブー系イベントに参加しているサークル向け(大都市圏在住でないとリアルイベント参加料をポイントで払うといった使い方はしづらい)
- カートにいれたら30分以内に決済が必要
- 一つのショップから一度に購入できる冊数は5冊までの制限がある
- コンビニ決済は可能だがセブンイレブンは対象外
- β版のため、将来仕様が変更になる可能性がある
pictSPACE(ピクスク/pictBLand系)
【2023/10/26】
pictSQUARE、pictBLandにて「個人情報の漏えい事件」がありました。現在サービスは再開していますが、参考情報として掲載しています。
メリット・特徴
- イベントごとに店舗と売り上げを清算する「pictSPACE-ONE」と、店舗を常設できる「pictSPACE」がある
- pictSQUAREで開催しているイベント中に「外部サイトに飛んでいいか?」という画面が出ないので通販がスムーズ
- 会員登録せずに買ってもらうことができる
- 複数の店舗を持つことができる
- パスワード限定、pict〇〇系フォロワー限定、Twitterフォロワー限定公開の設定が無料
- デフォルトで検索エンジンから除外されているのでジャンルや内容によってはこれ一択
- 売り上げをAmazonギフト券での清算が可能(≒銀行口座を登録しなくても良い)
デメリット
- 1つのグッズのバリエーション登録ができず1つずつ登録する必要がある
- 購入・販売ともにUIが使いづらい(ただし、いろんな人が工夫を解説してくれているので情報を探せる人にはデメリットにならないかも)
- 決済方法があまりない(クレカ)
- pict〇〇系を使っていても別途アカウント登録が必要
- pictSPACE-ONEはpictSQUAREからのみのアクセス
- クレジットカード以外の支払い方法がpaidy後払い決済(銀行振込・コンビニ決済)しかない
Fantia(とらのあな)
メリット・特徴
- デジタルデータ販売が可能
- 「特定の有料プラン支援者のみに販売」が可能
- とらのあな通販のアカウントがあれば別途アカウント登録は不要
- コミッション販売も同じクリエイターページ内で行える
- コンビニ決済OK
デメリット
- クリエイター支援サービスのなかの一機能なので、ショップっぽくはない
- クリエイターのファンクラブ=1人1ページなので、ジャンルの移動などでショップやページを分けたい場合やりづらい
- 〇〇Pay系の支払いには対応していない
アズカリ(アプリ)
メリット・特徴
- 双方匿名でのやり取りに特化
- 同人誌通販だけでなく、公式グッズ等の個人間取引にも使える
- 物理的な商品以外の取引でも使える(仕事の報酬受け取りなど)
- Amazonギフト券番号で出金ができる(≒銀行口座を登録しなくても良い)
- 送料は購入者負担方式、180円(キャンペーン中は22円)(2023時点)
- 匿名配送料がBOOTHより安い(2023時点)
- 物販商品はヤマト運輸のネコポス・宅急便コンパクト・宅急便での発送(160サイズまで可)
- BOOTHと同じヤマトの匿名配送のため新たに覚えることが少なくて済む(発送はファミリーマート、ヤマト営業所から)
- 3000円以下の取引は手数料無料のキャンペーン中
- 主要コンビニ、クレカ支払い対応
- ユーザー登録や月額利用料が発生しない
基本は個人間やり取りなので、国内完結のみのPayPalに発送機能が付いてる、みたいな感じのシステムです。
デメリット
- 売りたい場合はアプリが必要(スマホ必須)
- 銀行口座で受け取りたい場合は220円の手数料がかかる
- 物販の場合600円未満の商品は扱えない(発送を伴わない場合は300円~)
- BOOTHやピクスクとは異なり、別途専用アカウント作成が必要
- 〇〇Pay系の支払いには対応していない
- 18歳未満の利用は不可
- 出金には本人確認登録が必要
ピコ通販
メリット・特徴
- 各種手数料は購入者持ちでサークル側負担が少ない
- 売上の精算手数料が月1回まで無料
- 購入時のアカウント登録が不要
- 追加おひねり(ブースト)機能がある(OFFも可)
- 発送代行サービスがある(有料)
- ショップのパスワードロックができる
デメリット
- デジタルデータ販売機能が見当たらないため、電子書籍等には向かない
- あまり知られていないので購入をためらわれる可能性がある
- BOOTHやピクスクとは異なり、別途専用アカウント作成が必要
BASE
メリット・特徴
- PixivFactoryとの連携機能があり、BOOTHやPixiv系サービスとの併用が楽
- 拡張機能で年齢制限やデジタルデータ販売の機能を付けることができる
- 決済方法が豊富
デメリット
- 「通販事業者」という扱いになるので特定商取引法に基づく表記をBOOTHより細かく記入する必要がある
- 同人向けに特化したサービスではない
- 匿名配送は対応しているが1件50円の出品者側負担がかかる
- BOOTHやピクスクとは異なり、別途専用アカウント作成が必要
STORES
メリット・特徴
- 年齢制限、シークレット販売、予約販売、デジタルデータ販売、販売期間設定、購入個数制限などが可能
- 決済方法が豊富
- クーポン発行ができる
デメリット
- 配送日指定は有料プランのみ
- 同人向けに特化したサービスではない
- BOOTHやピクスクとは異なり、別途専用アカウント作成が必要
カラーミーショップ
メリット・特徴
- 「特商法ページに表示する住所・電話番号の非公開設定機能」がある
- クーポン発行ができる
デメリット
- フリープランではショップのデータ容量が200MB、1商品の写真枚数は4枚までとかなり少ない
- 同人向けに特化したサービスではない
- 年齢制限機能は有料プランのみ
- BOOTHやピクスクとは異なり、別途専用アカウント作成が必要