当ブログでは、ジェンダー関係の生きづらさについて(リンク)しばしば記事にしておりますが、ありがたいことにこちらに目を留めていただき、2019年末に北海道新聞社より取材を受けました。
2020年1月8日の北海道新聞の29面、特集「性から生へ」の第一部最終回に掲載されています。
取材への謝辞や取材を受けて感じたXジェンダーの現状への雑感および、ブログが新聞取材を受けるってどんな感じ?という体験談も載せておきます。
取材を受けた経緯
2019年の11月ごろに、メールで取材の依頼が届いたのがはじまりです。
ジェンダー特集でXジェンダーのことを紹介するにあたり当事者の生の声を聞きたかったというお話で、いろいろあって年末ごろに実際に取材を受けてきました。
なぜ当サイトを選んだのか伺ったところ、「他者にXジェンダーを説明する」内容の多かった他サイトに比べ、当サイトの「同じ当事者に向けて喋っている」感がよかったとのお声を頂きました。
いつもだいたい「ある日突然記憶喪失になったら」「自分と全く同じような人がいたら」という仮定で書いているので、うまく伝わっていたようで(?)なによりです。
活動家の人とか、他の当事者ともつながり全然ないけどいいんですかと聞いたら、むしろそういう「その辺にいそうな人の話が聞きたいので…」とのことでした。
最初は取材と書かれていたメールに詐欺か?(失礼)と思ったりもしたんですが、どうも面白そうなことに弱いもので、詐欺なら詐欺で記事にできるかなと思って受けたら本当に新聞社からの取材でした。疑い深くてすいません…
記事に載せていただいた内容(ざっくり)
既存のLGBT(狭義)だけでなく、いわゆる男女の性別の枠内では生きづらさを抱えているXジェンダーという人がいるよ、という点と、どういう理由で生きづらいのか?を「生まれ持ったジェンダーらしさという枠ってどうなの?」という観点から載せていただきました。
記事内容にご興味のある方はお読みください。
→北海道新聞 どうしん電子版
この特集、数日間連載されていたのですが、自分以外の事例は過酷な例が多い気がします。
今更ながら自分、場違いっぽいですが大丈夫だろうか。
新聞記事は短いスペースに収めるのと、新聞社が伝えたい方向性に合わせる関係でどうしても編集がされます。
そのためそのまま読むと、私という個人がお話した事実とは一部異なりますが、まあだいたいあってる、という感じの構成でした。
というか、Xジェンダーについては当事者それぞれ思うところがおそらく違うだろうと思うので、非当事者に正確に伝わるよう表現するのが非常に難しいんだろうなと思います。
ましてや私は性別違和だけでなく精神疾患とか発達障害グレーゾーンとか敏感気質とかも抱えているので、体験談や生きづらさのすべてがXジェンダーだけに起因しているとも言い難いんですよね。
上から目線っぽくてアレですが、今回こんな風に公の場で話題にしてもらっただけでも儲けものと思っておこうかなと。
それはそれとして記事内容や特集に対しての感想についてはnoteでお気持ち表明してみましたのでこちらもよければお読みください。
→リンク
取材を受けて感じた、Xジェンダーに対する社会の認知度
取材の際に、新聞というメディアは読者層が高齢なので、LGBTがワードとしてようやく少し認知されはじめた程度の理解度のところに「Xジェンダー」を紹介する難しさ、みたいな面白い話も聞けました。
たしかに書き方を間違えるとXジェンダーの説明って「性別の枠を守らないわがままな人」みたいに見えることがあるので、取材中もかなり苦慮しておられるようでした。
今回の取材で強く感じたのは「あー、意外と社会的にはまだ「何それ?」状態なのね…」というちょっとしたがっかり感と、いわゆる狭義のLGBT概念のようにはまだ当事者放置で商業利用されるに至っていないんだなというホッとした感。
最近の流れでたまに見かけるんですが、当事者そっちのけで非当事者が「とにかく配慮がいるんでしょ?はい!これ配慮しました!ありがたいよね!?」と明後日の方向に努力しているのを見るとなんだかなぁと思ってしまうので。
(LGBTsだけでなく、障害者への配慮とかでも似たような問題はあるのかもしれないですが)
ブログが新聞から取材を受けるとはどういうことか?
無料ブログではなくドメインを持つサイトだったからかも?
取材の中でチラッとそうかな?と感じた程度なんですが、当ブログのことは検索エンジンで見つけたようでした。
最近はこういった「生きづらさ」の発信はnoteなどのブログサービスのほうが読んでもらいやすい感じがあるりますが、「生きづらさ」を外から見つめるメディアのような第三者からすると必ずしもそうでもないのかもしれません。
過去の記事は案外読まれている
取材を受けるにあたり、事前資料として参考にした当ブログの記事を持参くださったのですが、重要なところに赤線が引かれていたりしてちょっと気恥ずかしかったです。
自分では何気なく書いたところが他人の琴線に触れていたというのを知れるというのは、記事を書いた身としてはかなり嬉しい体験ですね。
以上、ブログで取材を受ける際や、社会的にXジェンダーってこういう感じで受け止められているんだなーという情報が参考になれば幸いです。
お声がけと取材をしてくださった北海道新聞社様、ありがとうございました。