図書館で調べ物をしている時に
「この本が借りたいのにいつもの図書館には置いてない!」
という事態に出くわすことってありますよね。
そんな時、他の図書館にその本が所蔵されていれば、借りれることをご存知ですか?
この制度は「相互貸借」と呼ばれており、立派な図書館のサービスです。
所蔵している図書館に、いつも利用している図書館から「その本を貸してください」と依頼してくれるので「相互」貸借という名前がついています。
普通に借りるよりも運んでくる手間がかかるため時間は掛かってしまいますが、使わない手はありません。
私もこれまで自力で買うには高い論集や、古い自治体史などを相互貸借で借りましたが、かなり便利でした。
以下に使い方などをまとめましたので、参考にしてみてください。
借りたい本が置いてなくても実は借りれる?
まず下準備として、相互貸借をお願いする前に、借りたい本がどのくらい公共図書館に採用されているかを調べておきましょう。
調べるなら「国立国会図書館サーチ」が圧倒的に便利です。
検索窓に借りたい本のタイトルを入れて検索すると、パソコンであれば右サイドバーに、スマートフォンであれば下部分にその本を所蔵している図書館が表示されます。
所蔵している館が近隣の県になくても、相互貸借では遠方の県からでも取り寄せてくれることがありますので、まずは頼んでみることをおすすめします。
司書さんが最大限借りられるよう力を尽くしてくれます。
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相互貸借の使い方と仕組み
それでは、実際に相互貸借の使い方です。
まずは利用したい図書館のレファレンスカウンターに行きます。
大きい図書館であれば、貸出カウンターと分かれているのですぐにわかると思います。
小さい図書館だと、窓口と同じところにあるかもしれません。
担当がわからなくても、窓口で「相互貸借をしたいんですけど」と言えば案内してくれます。
窓口ではまず相互貸借したい本についてタイトル、著者などを書いて司書さんに渡して、相互貸借可能かどうか調べてもらいましょう。
場合によっては同一の管轄図書館内に所蔵しているから普通に貸し出せますとか(つまり相互貸借の必要がない)、 古い本なのでデジタル化されていてそちらを見て欲しいとか、近隣の大学図書館にあるとか、そういった情報を教えてもらえます。
冊数が多いと調べてもらうのに少し時間がかかることがあるので、時間に余裕を持って問い合わせましょう。
近くにない、相互貸借可能だということがわかると、申し込み用紙に記入が必要になります。
細かいことは司書さんが指示してくれますので、その通りに書きましょう。
記入を終えて申し込むと、あとは図書館から「届きました」の連絡を待つことになります、
図書館にもよりますが、本が届いた際にメールでは通知ができない場合もあります。
私の利用した図書館でも、通常の所蔵本の到着連絡はメールでも送ってもらえますが、相互貸借の本は電話連絡のみとのことでした。
本が届いたら、申し込んだ図書館に行き、受け取ります。
相互貸借専用の注意書きなどがついたカバーに包まれていたりしますが、間違っても勝手に取ったりしないように。
他府県の図書館から借りている本ですから、普段以上にきっちり返却期限は守りましょう。
でないと貸出元の図書館から、貸出先の図書館が今後相互貸借を受けられなくなる恐れがあります。
とはいえ普通に利用する分には、非常に便利な制度です。
相互貸借をするときの費用は?
県や図書館によってまちまちで、無料から利用者実費負担まで様々あるようです。
自分の利用したい図書館のサイトを確認するか、直接問い合わせることをおすすめします。
一例として、うちの近所の図書館の場合は利用者負担無しで相互貸借が可能ですが、その代わり月に10冊までという制限があります。
市民の学習のためにお金を負担しているので、平等性のため冊数に制限があるということです。
この他、自治体によっては数百円程度実費を利用者に負担させる図書館もあるようです。
相互貸借で出来ないこと
最後に、相互貸借で出来ないことを紹介しておきます。
貸出元が国会図書館からの貸出書籍の場合は、閲覧は図書館内のみで自宅には貸し出してもらえません。
一般の自治体図書館からの本であれば、通常の書籍と同じように自宅に持ち帰ってじっくり読むことが可能です。
私の利用している図書館では、貸出期限は通常の貸出と同じく2週間でした。
ただし、その館の所蔵図書と違い、延長はできません。
2週間で必ずカウンターに直接返すこと、という指定があります。
また、大学図書館と公立図書館同士の相互貸借は基本できません。
理由としては、お互いに利用しているネットワークが違うからのようですが、
地域によっては連携を模索しているところもあるみたいです。
大学図書館と公立図書館の関係については、以下の記事が分かりやすくまとめておられます。