ポケモン、ピクミン、スプラトゥーン、ゼルダ等々、ニンテンドースイッチのゲームをDiscord(ディスコード)で画面共有したり配信するためには、キャプチャーボードと呼ばれる機器が必要です。
ただこのキャプチャーボード、あまりにもたくさん種類があるので、どれを選んだらいいか迷います。実際自分も結構悩みました。
今回はこの「Discordの無料会員がスイッチのゲームを画面共有する時に最もコスパのいい機器選び」と、実際の画面共有の設定についてまとめておきます。
この記事はこんな人にオススメ
- DiscordでNintendoスイッチのゲームを画面共有+通話しながらゲームをしたい(ゲーム画面を音付きで見せながら通話)
- できるだけ安くDiscordでSwitchのゲーム配信をする方法が知りたい
- パススルー対応格安キャプチャーボードを使い、モニター1つでも音ズレさせない方法が知りたい
そもそも:無料会員は1280×720で30fpsの画質までしか配信できないので高いものを買う必要はない
Discordの無料会員は、配信や画面共有する際の画面サイズ・画質に上限があります。
Discordの無料会員が画面共有・画面配信で利用できる最大画質
- 1280×720
- 30fps
この画質くらいであれば、正直ハイクラスの高いキャプチャーボードを無理して買わなくても出力できてしまいます。
つまり、高いキャプチャーボードを買っても宝の持ち腐れってことですね。
DiscordでSwitchのゲームを配信する方法は3種類
- Webカメラを使う(1000円くらい)
- パススルー機能のない激安キャプチャーボードを使う(1000~2000円くらい)
- パススルー機能付き格安キャプチャーボードを使う(4000~1万円くらい)→詳しく解説
手段1:画面の共有のみでいいならWebカメラを使う
Zoomなどのテレビ会議で使うようなやつです。
HDMI端子を含む映像出力端子が2つ以上あるモニタなら、モニターは1つでOK。
まず通話をはじめてから映像出力切り替えを行って、「PCで通話」「ゲームはモニタで見る」状態で通話します。
モニターにHDMI端子が1つしかなかったり、HDMIケーブルが1本しかない場合は、ニンテンドースイッチは本体の液晶モニターのままプレイします。
また、スマホのカメラで映す場合はスマホスタンドなどで固定する必要があります。
メリット:価格が安く、スイッチLiteでも使える手法
Webカメラは安いものだと1700円くらいから売っています。
仕事で使うなどで、もう持ってる方は別途機材を用意しないので、追加でお金がかかりません。
また、物理的に画面を映しているためHDMIケーブルで繋ぐ必要がないので、映像の外部出力ができないスイッチLiteでも使えます。
デメリット:カメラの位置合わせが面倒・画質は悪い
この手法の最大のデメリットは、映したい画面をカメラに収めるための位置調整がめちゃくちゃ面倒なことです。
そして、ケーブルをつないで映像を映しているわけではないので、画質はお察しレベルです。
細かいインターフェースの文字や字幕などは見えないかも。
当然、激しい動きなども追いきれないです。
ただ、実際にゲーム画面を映すのに使ってみましたが、ピクミン3デラックスの会話テキストなど、大きい文字であれば読めるようです。
手段2:音がモノラルでいい&遅延が許せるならパススルー機能のない激安HDMIキャプチャーボードを使う
とにかく安くゲーム画面を映したい!そして音も欲しい!という場合はこれ。
接続はこんな感じになります。
価格は1000~2000円くらい
こちらも価格は非常に安いです。
メリット:安いがウェブカメラで映すよりは映像が鮮明
当然ながら、こちらはケーブルをつないで映像を映しているのでウェブカメラで映すよりも映像はキレイです。
デメリット:遅延が発生するためアクションゲーム等には不向き
激安HDMIキャプチャーボードの遅延と画質については、以下の記事が非常に詳しいです。
高級機種に備わっているパススルー機能がないと、どうしても映像や音の遅延は発生します。
レース・アクション等のゲームを画面共有したい場合は、やりづらいので正直おすすめできません。
手段3:一番おすすめ!遅延なし!30fpsのパススルー機能付き格安キャプチャーボードを使う
ある程度予算が出せるならこの方法が一番おすすめです。
※そもそも1万以上出せるよ!って方は60fps対応の配信用のちゃんとしたキャプチャーボードを買えば間違いないです
パススルー機能を使うというと、大抵の解説記事で「モニター2台必要」と書かれていますが、PCがデスクトップPC&モニターにHDMIの口が2つあれば、実はモニターも1台で大丈夫です。(詳しくはやり方の項目で説明します)
価格は4000~6000円くらい
30fpsのパススルー機能付き格安キャプチャーボードは、大抵中国製のものが多いですが、販売者によって値段が違います。
1万円まではいかないので手を出しやすいですが、商品説明で60fps対応と書いてあっても実際に録画してみると30fpsまでしか対応していないといったケースが多いようです。
メリット:無料会員で一番画質もよく、配信中のプレイも快適
冒頭でも説明した通り、Discordの無料会員が配信できる最高画質は「画面サイズ:1280×720 フレームレート:30fps」です。
30fps対応パススルー機能付き格安キャプチャーボードは「画面サイズ:1920×1080 フレームレート:30fps」であることがほとんどなので、余裕で無料会員の最高画質をクリアしています。
また、パススルー機能によってゲーム配信の画面とゲームプレイの画面を分けることができるので、遅延を感じることなく快適にプレイできます。
デメリット:それなりに値段がするうえ、粗悪品・サクラレビューを見分ける必要がある
デメリットとしては、安いとはいえ5000円前後します。
また、Amazonマーケットプレイスの第三国製品などは、粗悪品やサクラレビューに気を付ける必要があります。
一応、同一製品がメルカリ等でも売られていたりしますが、本当に新品か判断できかねるのでご利用は自己責任で。
このあたりを面倒に感じる場合は、予算は上がりますが素直に大手メーカーのきちんとしたキャプチャーボードを購入することを勧めます。
(ただし価格は最低でも1.5~2万円、性能次第ではそれ以上します)
モニター1台でゲーム音声を音ズレさせないための設定
モニター1台のみで、ゲーム音声を音ズレさせずに画面共有を行いたい場合は、モニターに以下のスペックが必要です。
前提となる機材の条件
- Nintendo switchの通常モデルor有機ELモデル(ドックが付いているタイプ)
スイッチLiteはHDMI出力ができないので不可 - PCとモニター:HDMIとDisplayPort(DP)/HDMIが2つなど、出力用の端子がPC・モニタそれぞれに2種類以上備わっていること
そのうち片方は必ずHDMIでなければなりません(キャプチャーボードのパススルー用から伸びているHDMIケーブルを接続するため)
各機器のつなぎ方は以下のような感じになります。
PC本体でDiscordの通話を行い、モニターのHDMI出力でゲーム画面を見ながらプレイすることになります。
(=通話を終えるときなど、PC本体の画面を見たいときは映像モードを切り替える必要があります)
配信のために使用するソフトは「OBSstudio」です。
(試してませんが、他のソフトでも同じ仕組みならやれると思います)
OBS初回起動時に出てくる自動構成ウィザードは使いません。
1:画面共有のための事前設定
- OS:Windows側の「サウンド」設定の「録音」→「(キャプチャーボード名)」のプロパティ設定で「このデバイスを聴く」をON
- OS:Windows側の「サウンド」設定の「入力」をDiscordの通話で使用するマイクにする(※キャプチャーボードを選択しない)
ここでキャプチャーボードを選択してしまうと、相手側にゲームのBGMが流れません。
キャプチャーボードによってはUSBに刺したら自動で入力デバイスとして選択されてしまう場合があります。
この項目は画面共有の前に必ず確認してください。 - モニタ:サウンド出力機能がある場合は音量をゼロにしてください(ONのままだと音声が二重に聞こえます)
- OBS:キャプチャーボード(デバイス)を「」ソースとして設定。音声の箇所は「」を選んでください
- OBS:画面下部「音声ミキサー」の歯車マーク(設定)で「映像キャプチャデバイス」の音声を「モニターと出力」にする
これが「モニターのみ」だと通話相手にゲーム音声が流れません。
2:OBS→Discordでの画面共有のやり方
- OBSの画面の上で右クリックし、「全画面プロジェクター(プレビュー)」または「ウインドウプロジェクター(プレビュー)」をON
※「仮想カメラとして利用」は使用しない。Discord側のビデオ設定も弄らない - Discord側で通話を開始し、「画面共有」→「ウインドウ」の中から先ほどのOBSのプレビュー画面を選ぶ
(1)で成功していると、ウインドウの一覧の中にゲーム画面のみが映っているものがあるので、それを選んでください。
なお、音声が小さい場合は以下の方法で改善できます。
- OBS:画面下部「音声ミキサー」の歯車マーク→該当するソースの音量を増やす(dbの値を増やす/デフォルトは0.0です)
- OBS:「音声/映像フィルタ」から「ゲイン」の値を増やす
なお、Discord通話でOBSの配信画面を映す方法については、下記noteを参考にさせていただきました。
いったいどういう経路で画面共有+通話が成立してるんじゃ?の中身が知りたい人のために構造についてもメモを残しておきます。
- 映像・音声ソース:ニンテンドースイッチのドック(キャプチャーデバイスにHDMI出力)→キャプチャーデバイス(PCとモニタにHDMI出力、モニタ側をパススルー用のHDMI)
- 配信用:ゲーム画面・音声(キャプチャーデバイスからのHDMI入力)をOBS上でソースとして取り込んで表示、出力設定
- Discord:OBSに映しているものをウインドウとして画面共有+PCに接続したマイクで通話